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中高年世代、家族の調和を細やかに
映画「結婚しようよ」 拓郎の名曲味わい深く
2008/1/16 産経新聞    東京朝刊 by 宝田茂樹
タイトルからすぐに、フォーク界伝説のシンガーソングライター、吉田拓郎のヒット曲を思い浮かべてしまう「かつての若者たち」も、40代後半から50代。多くは一家の主としての日常を送っている。昭和33年生まれの佐々部清監督もそんな一人で、学生時代の吉田拓郎は「神様だった」。そんな情熱が蓄積、ついには爆発したのが本作だ。幕開けからエンドロールまで、哀愁の拓郎サウンド全20曲が炸裂する。

吉田拓郎の名曲がちりばめられた「結婚しようよ」
吉田拓郎の名曲がちりばめられた「結婚しようよ」

青春を拓郎サウンドとともに過ごした監督は、当時から全編「吉田拓郎」が流れる青春映画を作りたいと思っており、平成18年9月、つま恋で行われた31年ぶりの野外コンサート(かぐや姫と合同)では、最前列に陣取って感動の涙を流したという。

時代は、件のつま恋コンサートから1年をへた現在。不動産会社に勤める52歳の平凡なサラリーマン、香取卓(三宅裕司)にとって、妻の幸子(真野響子)、長女の詩織(藤澤恵麻)、二女の歌織(AYAKO)の4人家族でテーブルを囲む夕食は、人生において無視してはならない日々恒例の取り決めだった。

しかし、いかなる取り決めも、いつかは破られるためにあることを、卓は思い知ることになる。

それは一家の主が、まちかどコンサートで意気投合した若いそば職人を、自宅に連れて帰ってきたことから始まった。“異物”が入ったことで、家族に微妙な変化が生じ、やがて…。

家族4人、それぞれが悲喜こもごもに歩みを進める人生の断片を、拓郎サウンドとともに織り成していく味わい深い佳作になった。拓郎ファンならずとも、場面場面でよみがえる名曲が、とりわけ中高年世代の胸に響く。2月2日公開。

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