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収録曲

1.連れてって
2.アイニイクヨ
3.まなざし
4.トンネル
5.last light
6.I want you



若い人たちはモノラルという言葉を知っているだろうか? レコードがステレオになる以前は、左右のスピーカーから同一の音が出ていた。竹仲絵里のメジャーデビューミニアルバムはその名も「秋晴れモノラル」(コロムビア ミュージック エンターテインメント/COCP-32875/¥2.000)。といって、モノラル録音の作品というわけでは、ない。今やステレオどころから5・1チャンネル、6・1チャンネルの時代だが、情報過多の現代に生きる人たちは情報に惑わされて自分らしさを見失っていないかと、この女性シンガーソングライターは問いかけているのだ。じっくりと、秋の午後に耳輪休めるつもりで聴いてもらえたら。そう願ってつけた題名だ。なるほど、穏やかな日差しの中で、落葉が地面に着地したときに発する音、のような歌が聞こえてくる。ENAK編集部は、竹仲に会いに出かけた。

text & photo by Takeshi Ishii/石井健
── 音楽との出合いは?

竹仲絵里 ■竹仲絵里:3歳からピアノを習いました。それに父が1960−70年代の洋楽が大好きで、休日には学生時代に集めたというレコードをよく聴いていて、そうした影響が大きかったです。そして、小学生のとき、学校の合唱コンクールで伴奏のピアノを弾いて、そのとき、これこそ私の特技と気づき、ピアニストになりたいと思うようになりました。実は、歌はそれほど好きではなかったんです。というのも、子供のころから声が低くて、少しハスキーだった。そんな自分の声が嫌いだったからです。ところが、ある日、カーペンターズを聴いたら(ボーカルの)カレン・カーペンターのアルトの響きの美しさに驚きました。そして、高くてかわいらしい声ばかりがいいわけじゃないと悟り、歌も好きになったんです。高い声で歌う人が多いですが、アルトの部分を生かして歌い続けたいですね。

──作詞作曲はいつごろから?

■竹仲:中学生になってピアノを習うのはやめ、学校では演劇部に。それでも音楽が好きだったから、ミュージカルふうのお芝居をしたりしていましたが、そのころから詩を書き始め、それらがたまった高校生のころからこれに曲をつけようと考えるようになりました。すでに自宅にピアノはなく、それでギターを買ったんです。高校2年生のときでした。当時、ギターってどこで買ったらいいのか分からなくて、知り合いから「東京・秋葉原だよ」って教わって。本来、電気街ですよね。それぐらい知らなかったということなんですが、大型電気店の楽器館に確かにアコースティックギターがありまして、一番安価なものを買ったんですよ。コード譜が載っている雑誌を買って、簡単なコードから順番に覚えていきました。負けず嫌いだから、途中で投げ出したりはしませんでした。世の中には女性ミュージシャンは大勢いる。だから、自分にだって弾けるんだ、と。弦を押さえると指先がつぶれ、皮がむけたりと汚くなるのですが、上達するにつれ、それすらいとおしくなっていった。コードを3つぐらい覚えた段階で曲づくりを始めました。それから、今思えばけっこう自信満々で、デモテープをレコード会社に送りました。

──結果は?

竹仲 ■竹仲:それが最初のテープを聞いたレコード会社の方から声をかけていただけて。それをきっかけに人を紹介されて、今に至るんです。

──テープは自作曲を?

■竹仲:いいえ、カーペンターズの「遙かなる影」ともう1曲。

──え? じゃあ、シンガーソングライターとしてというよりも、歌手としてまず認められた?

■竹仲:当時、小室哲哉さんが制作監修した声の高い歌手の作品が全盛だったんです。だから、私のアルトの声が逆に新鮮に聞こえたんじゃないでしょうか? 
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