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星組「ベルサイユのばら」東京公演始まる
心を込めて 愛を届けたい
2月17日(金) by ENAK
宝塚歌劇団星組「ベルサイユのばら−フェルゼンとマリー・アントワネット編−」東京公演が17日午後、東京・日比谷の東京宝塚劇場で始まった。4月2日まで。

マリー・アントワネット生誕250周年を記念して、歌劇団としては5度目の上演になる。

湖月わたると新しい相手役、白羽ゆりの、新トップ・コンビの大劇場でのお披露目公演。すでに昨年から、全国ツアー公演と初の韓国ソウル公演で経験を積んでおり、湖月フェルゼン、白羽アントワネットの役柄の解釈は深い。とくに白羽が急成長し、舞台装置や衣装の豪華さも加わって、数段にグレードアップした仕上がりとなった。

運河で逢瀬を過ごすフェルゼンとアントワネット


アントワネットは14歳のときにオーストリアからフランスへ、夢いっぱいでお輿入れ。しかし、宮廷での生活は華やかな半面、孤独だった。そんな中でスウェーデンから留学中のフェルゼン伯爵と出会い、激しい恋に落ちる。近衛隊長で男装の麗人、オスカルは2人の気持ちを知りながらも、フランスのために、フェルゼンに帰国するよう忠告する。時代は民衆の不満が募り、フランス革命(1789年)へと突き進む激動期。捕らえられたアントワネットを救うため、帰国していたフェルゼンは命がけで救出に向かうが…。

アントワネット自身が作詞作曲した「出会い」という歌を、一幕の終盤で白羽が歌うのも新しい見どころ。また、1幕の終わりに、「宮殿大広間」のシーンが新しく加えられた。フランス国王ルイ16世のもとへ、フェルゼンがスウェーデンへ帰国するあいさつに訪れる。王妃マリー・アントワネットの力になってほしいと引き止める国王に、フェルゼンは、このままフランスに滞在しては愛する人に迷惑がかかると、王妃への愛を心に秘めて去っていく。感動的なシーンだ。

フィナーレより


湖月は、この場面で人生について考え、「星組を愛するがゆえに、後進に道を譲り、次の道に進み出すこともひとつの選択肢」と退団を決意したと今月14日の会見で明かしている。

この日は午前中に舞台けいこが行われ、けいこ後に湖月が記者会見。「宝塚の宝物ともいうべき作品。お客さまに愛をお届けできるよう心を込めて演じたいです」と意気込みを語った。

湖月の会見全文は以下のとおり。

舞台けいこ後に会見した湖月わたる 湖月わたる 星組の「ベルサイユのばら」全国ツアー公演、韓国公演、大劇場公演そしていよいよ最終地・東京へやってまいりました。出演者一同、宝塚の宝物であります「ベルサイユのばら」という作品を1公演1公演心を込めてお客さまに愛をお届けできるように務めたいと思っております。

──フェルゼンについて
湖月 貴公子でソフトな印象を与えますが、うちに秘める思いは強く、行動力のある人。優しさの中にもだれにも止められない、燃えたぎる愛がある。そのあたりを表現できたら。

──この作品が、退団決意のひとつの契機になったそうだが
湖月 フェルゼン役をいただいた直後は、果たして自分にできるのかと思いました。自分ではどちらかといえば“アンドレ・タイプ”だと思っていました。貴公子であるフェルゼン役をできるのかととても不安でした。ところが全国ツアー公演を始めたら、意外にも「とても似合っている」とおほめをいただきました。苦手なものに挑戦して、賛辞をいただき、充実感と感じましたし、「こういうものもできるんだと」新たな発見にもなりました。フェルゼンはいろいろな人の愛を受け止めて成長する。そんな彼を演じながら、自分も成長したいと日々を過ごすうちに…そういうことになってしまいました。しかし、自分で決めたことに悔いはなく、すがすがしい気持ちです。そんな思いをフェルゼンに生かせられたら。

──東京公演への心構え
湖月 大劇場公演は(役替わりで)5人のオスカルがきてくれました。新しい刺激と楽しさがありました。こんどは星組のメンバーだけ。1カ月半演じながらお互いの役、作品を深めていく作業になります。(オスカル役の)安蘭(けい)とは、ずっと一緒にやってきていますので、話し合いながら完成度を高めたいです。

──「ベルばら」は、他の作品と雰囲気が異なるか
湖月 開演前のロビーの熱気からして違う、とお客様から聞きました。幕が開いたとたんに「ベルばら」を観にきたんだ、というみなさまのテンションのようなものを感じます。フィナーレのパレードのときに客席のみなさんのお顔が見えるのですが、最初のプロローグの段階で拝見したものと比べて一段と華やいだ雰囲気になっています。お客さまにベルばらの世界を堪能していただけたという実感みたいなものを得られます。すごいなと思っています。

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